睡眠の質が良くないと、脳が縮小する可能性 高齢になるほど影響大
◆高齢者ではアルツハイマーとの関係も
米バージニア州で神経科医として活動するニール・マル医師は、CNNに対し、「睡眠不足はあらゆる問題の原因となることがわかっています」と述べている。その影響は免疫系の問題から循環器系の異変、そして体重の変動まで幅広く及び、記憶など脳機能への影響も例外ではない。睡眠不足は、記憶能力の低下を招くだけでなく、アルツハイマー病などの認知症の原因にもなると考えられている。
セクストン博士たちの研究では、質の悪い睡眠と脳の縮小との関係は、とくに60歳以上の被験者において顕著な相関が見られた。高齢になるほど睡眠の質が脳の機能に大きく影響するようだ。
睡眠とアルツハイマー病との関連はカリフォルニア大学バークレー校などが行った研究でも指摘されている。神経科学の学術誌トレンズ・イン・ニューロサイエンス(2016年6月17日)に掲載された論文は、さらなる研究の余地があるとしながらも、「睡眠障害はアルツハイマー病(AD)とその病態生理における中核的要素であるとみられる」と述べている。