睡眠の質が良くないと、脳が縮小する可能性 高齢になるほど影響大
◆眠っているあいだに脳をクリーンアップ
睡眠の質が良くないと、なぜ脳の大きさが縮小してしまうのだろうか。米CNNは専門家の見解として、脳内にタンパク質が蓄積し、それが脳細胞を攻撃するのだという説を紹介している。質の悪い睡眠が脳に悪影響を与えるメカニズムは定かでないものの、現時点ではこうした説が提唱されているようだ。
セクストン博士はCBSニュースに対し、「睡眠が阻害されると回復と修繕を促すプロセスが中断されたり効果が低下したりすることになり、脳の体積がより大きく減少することにもつながります」と説明している。博士は「私たちは人生のおおむね3分の1を眠って過ごしており、眠りは回復と修復を行ってくれる『脳の清掃員』だと考えられています」とも述べる。睡眠によって有害なタンパク質が脳内から除去され、脳を健康的な状態に保つことができる。
なお、研究で脳の容積の減少が見られたのは睡眠の質が悪い場合であり、睡眠時間とは有意な相関はなかった。睡眠の質が悪い場合とは、具体的には床に就いてから入眠するまでに長時間を要したり、夜中や早朝に目が覚めてしまったりという状況を意味する。こうした場合には、脳の修復プロセスが十分に機能していない可能性がある。