繰り返す悪夢は放置してはいけない 知っておきたい原因と対策
大人になってからも、たまに悪夢を見ることはないだろうか。仕事や人間関係などでストレスが続くと、リラックスできるはずの夢のなかまで悪夢に支配されてしまうことがある。たまに見るだけならあまり気にする必要はないが、繰り返す悪夢は何らかの対処を必要とするものもあるため注意が必要だ。
◆悪夢を見るのはどんなとき?
米総合病院のメイヨー・クリニックによると、悪夢は子供の頃から見始めることがある。多くの場合は10歳ごろまでに頻度が減っていくが、大人になっても悪夢を見る人々は多少存在する。多くの人は懸念するほどの症状には至らないが、悪夢が睡眠不足を招くなど、生活に悪影響を及ぼしている場合は気をつけたい。こうしたケースは「悪夢障害」と呼ばれ、治療を必要とすることがある。悪夢の原因は特定が難しいが、同クリニックによると、ストレス、トラウマ、睡眠不足、アルコールの過剰摂取、その他の体調不良などが引き金になるという。
ヘルスケア情報を掲載するウェブMD誌は、夜食を食べることで脳が活性化し、悪夢を招くことがあるとも指摘している。また、一度悪夢を見たことで夢に対する恐怖心が固定化し、また悪夢を見るスパイラルに入ってしまうこともあるようだ。ただの夢で終われば問題ないのだが、同誌は健康への影響もあるとして注意を喚起している。とくに不安症やうつ状態の人は、精神に負の影響を及ぼす可能性がある。
◆防ぐためにできることとは
悪夢を防ぐために、いくつか自分自身で試せることがある。スリープ・ファウンデーション誌は、規則正しい睡眠・起床スケジュールを守ること、深呼吸などリラックスのためのテクニックを取り入れることなどを勧めている。カフェインと飲酒を避けること、寝る前にパソコンやスマホを使わないことも重要だ。また、寝室の環境を整え、暗さや温度など眠りやすい条件を整えることにも留意したい。
そのほか、メイヨー・クリニックによると、リラックスできるルーティーンを実践することも有効だ。寝る前に読書をしたり浴槽で体を温めたりと、自分なりの習慣を実践してみよう。悪夢に悩まされているのが自分ではなく子供の場合は、目覚めた後で夢の内容を話してもらい、怖かった体験を打ち明けてもらうことが効果的だ。夢の内容をおさらいし、エンディングをより幸せなストーリーに一緒に作り直すことも、悪夢を引きずらないための一案だという。
◆場合によっては医師の受診も
悪夢を見ること自体は、必ずしも健康上の問題を意味するわけではない。メイヨー・クリニックは、たまに見る程度であればそれほど心配ないと述べている。ただし、医師に積極的に相談したほうがよいケースもあるとも述べている。そのケースは、頻繁かつ長期にわたり繰り返し悪夢を見ている場合だ。眠るのに恐怖を覚える、あるいは日常的に睡眠が阻害されているといった場合も、早めの診察を受けたほうがよい。
具体的な頻度としてスリープ・ファウンデーション誌は、週に1回以上悪夢を見ている場合に医師に相談すべきだとしている。睡眠不足などで日常生活に影響が出ている場合も受診したい。また、薬の影響を受けることもあるため、新しい薬を飲み始めたのを機に悪夢を見るようになった場合も、その旨を相談してみるとよいだろう。可能ならば医師に会う前から日々の睡眠時間などを記録しておくと、診察に役立つことがある。
たかが夢とはいえ、日中の睡魔につながれば現実生活に影響を与えてしまう。必要に応じ、適切なアドバイスや治療などを受けるよう心がけたい。
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