ペットと一緒に眠ることのメリットとデメリット 眠りの質への影響は?

Anastasiya Tsiasemnikava / Shutterstock.com

 ペットを愛すれば愛するほど、片時も離れたくないという気持ちは高まるもの。同じ布団にくるまって寝られれば最高の安心感を得ることができるが、眠りの質という意味では、ペットと寝ることはどのような影響をもたらすのだろうか? ペットの種類や飼い主の状況などにより、その効果はプラスにもマイナスにもなるようだ。

おすすめ睡眠サプリ2021 人気の睡眠サプリを徹底比較

◆まるで「大きなブランケット」、安らぎをサポート
 ペットと共に寝ることで安心感を覚えやすくなるため、とくに精神的なサポートを必要としている人々に有益だと考えられている。南カリフォルニア大学ケック医学校のラジ・ダスグプタ准教授(臨床医学)は米CNN(11月5日)に対し、一緒に寝るペットが「大きな枕やブランケット」のような役割を果たし、とくにうつ病や不安症の人々の気分の落ち込みを軽減してくれる可能性があると指摘する。

 また、痛みによる不眠に悩まされてきた人々も、ペットと寝ることで改善を実感しているようだ。米ワシントン・ポスト紙(11月18日)は学術誌『ソーシャル・サイエンシズ』に掲載された小規模な実験結果をもとに、慢性痛を抱える人々が犬と共に寝ることで「圧倒的にポジティブ」な効果を得たとしている。愛犬と一緒に寝た被験者たちはリラックスし、痛みに襲われるかもしれないという不安感から気を紛らわすことができたという。これとは別に、PTSD(心的外傷後ストレス障害)に悩むオーナーもペットと一緒に寝ることで癒しを感じるなど、眠りに悩む人々にペットはプラスの効果を与えている。

◆「微小な覚醒」で眠り中断のデメリットも
 ただし、睡眠障害を抱えている人にとって、ペットと一緒に寝ることはかえって眠りの阻害要因となることがある。CNNはペットが吠えることなどで熟睡の妨げとなり、目覚めには至らないまでも「微小な覚醒」となって睡眠の質を落とすことがあるとしている。ジョンズ・ホプキンス大学医学部のフセヴォロド・ポロツキー博士は、犬や猫などは一晩中連続して眠らないため、起き上がってベッドの上を歩くなどの傾向があると注意を促している。「こうした行動はすべて睡眠の断片化を招きます」と博士は述べる。

 では、ペットと一緒に寝た場合、実際にはどの程度睡眠が阻害されるのだろうか。ある実験によると、さほど心配しなくてもよいようだ。ニューヨーク・タイムズ紙(11月11日)は、米総合病院のメイヨー・クリニックによる2017年の小規模な研究を取り上げている。ベッドで過ごす時間の85%で実際に眠っていることが理想だが、犬を寝室に入れて眠った人々では83%、一緒にベッドで眠った人々では80%となった。同紙は「理想を下回るものの悪くはない」数字だとしている。一緒の部屋の場合と同じベッドの場合の熟睡時間の差は14分に過ぎなかった。この差を許容できるのであれば、ベッドに上げて寝かせることを検討してもよいだろう。

◆注意が必要なペットとは
 注意点としてワシントン・ポスト紙は、しつけ前の仔犬はベッドに上げるべきでないと指摘する。まずは独りで眠ることを覚えさせた方がよい。噛む可能性のある犬も共に寝るには好ましくなく、不意の寝返りを攻撃と勘違いして噛みつかれる危険がある。

 アレルギーにも要注意だ。ペットの皮膚、毛、唾液などにはアレルギー物質が含まれる。夜のあいだじゅうこれらに晒されると、目の腫れや鼻詰まりなどを生じることがある。ほか、ペットの種類によっても傾向は異なる。CNNは、猫は夜行性であり人間の睡眠が妨げられやすいと指摘する。また、フェレットやモルモットなど一部のペットは、そもそも安全のため一緒に寝るべきではない。

 最後に、ペット側に生じる変化にも触れておきたい。北米獣医協会の主任獣医であるダーナ・ヴァーブル博士は、米CNNに対し、人間と共に寝ているペットは「(人間への)信頼度が高く、共に暮らす人間に対して強い絆をもつ」傾向があると指摘する。人間を信頼したペットは幸せホルモンとも呼ばれるオキシトシンやドーパミンなど有益な脳内物質の分泌が増え、健康上のメリットを得られるという。一方、ペット自身が不安を抱えている場合は、独りの空間を与えてペットに安心を感じさせることを優先したい。

 ペットと一緒に寝ることは、必ずしも大きなデメリットを生じるわけではない。自身とペットの状況に応じて検討してみよう。

【関連記事】
ペットと眠る子供、睡眠の満足度が高い カナダ研究
愛があってもベッドは別 「睡眠離婚」をするアメリカ人が増加中
いつ、どの運動をするとよく眠れる? 就寝前の2時間は要注意

[PR] 睡眠ケアブランド「In Form」誕生

Text by 青葉やまと