ペットと眠る子供、睡眠の満足度が高い カナダ研究
愛らしい振る舞いで心を癒してくれるペットだが、その効果は人間が寝ている間にも続いているようだ。カナダの研究により、ペットと眠る子供は眠りの満足度が高いことが示された。従来はペットと寝ることのデメリットを指摘する研究が多かったが、その逆の結果が出たことになる。
◆2週間かけた実験で検証
実験は2週間かけて行われ、11歳から17歳までの子供たち188名が参加した。子供たちは毎日、各種研究で使用されている標準的な睡眠質問票に回答する形で、前夜の眠りを自己評価した。質問項目は、入眠の時刻、睡眠時間、眠りに落ちるまでの時間、夜中に目覚める頻度、そして睡眠の質などとなっている。また、実際の睡眠の傾向を調べるため、アクティグラフと呼ばれる腕時計型睡眠活動計、およびPSGと呼ばれる活動センサーを上半身の各所に装着して眠り、2週間分の睡眠データを記録した。
研究者たちは、ペットと眠る頻度を子供たちに質問し、これによって3つのグループに分類した。「まったく一緒に眠らない」と回答した子供は約65%、「時々一緒に眠る」は約17%、「頻繁に一緒に眠る」は約18%であった。なお、ペットの種類は問わない。
このグループごとに睡眠質問表よる睡眠の質を分析したところ、ペットと頻繁に一緒に寝る子供たちは、睡眠の主観的な満足度がほかのグループよりも高いことが示された。PSGとアクティグラフの結果を総合しても、ペットと一緒に寝たことで睡眠の時間などが顕著に阻害されていないことが確認できたという。調査はカナダ・モントリオールのコンコルディア大学の研究者たちによって行われ、学術論文などの公開媒体であるサイエンス・ダイレクトに掲載された。
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