睡眠時無呼吸、新型コロナ感染・重症化のリスク高める可能性
◆新型コロナとの関連、複数の研究が指摘
OSAはいびきや日中の強烈な眠気などを引き起こすが、最近の研究により、新型コロナウイルスへの耐性を低めてしまう懸念があることがわかった。『スリープ・アンド・ブレシング』の論文によると、OSAのリスクが高い人々は、そうでない人々よりも新型コロナに感染する可能性が高いことが判明した。入院リスクとICUに収容されるリスクは2倍に上るという。
研究はカナダのトロント大学など国際チームが主導し、オーストラリア、ブラジル、カナダ、日本など14の国と地域から2万6000人以上がオンラインのアンケート調査に協力した。OSAの診断法として用いられるSTOP質問票に回答してもらい、さらに、新型コロナウイルスへの感染や入院などの経歴を質問した。すると、OSAのリスクが高いと診断された人々は、新型コロナに感染・入院・ICUでの治療を必要とする確率が、それぞれ有意に高いことが判明したという。
インドの研究でも、OSAが新型コロナのリスクを高めるという結果が出ている。ニュー・インディアン・エクスプレス紙(4月11日)は、ICUで治療を受けた後に回復した67名を対象にした実験結果を紹介している。それぞれ一晩かけて呼吸パターンを調査したところ、2名を除くほぼ全員が軽度から重度のOSAを患っていることが判明した。7割以上は中等度以上の症状を示していたという。
◆適切な受診と治療を
『スリープ・アンド・ブレシング』の論文では、OSAのリスクを有する人々がこれまで診断を受けておらず、治療に着手していない可能性があると指摘している。CPAP(シーパップ)という装置を装着して眠る治療法があるが、これを適用することで上気道と全身の呼吸ストレスが軽減され、新型コロナの症状を改善できる可能性があるという。
インドネシアの研究者たちも同様に、学術誌『スリープ・メディシン』に掲載された論文のなかで、OSAの患者は新型コロナの感染を予防するため特別なケアを受けるべきだと主張している。STOP質問票をオンラインで実施するだけでもリスクの高さを分析でき、必要に応じて状況のモニタリングを行うことができるとしている。
OSAは新型コロナ以外への病気にも影響する可能性がありそうだ。ニュー・インディアン・エクスプレス紙は、「この研究はさらに、適切な睡眠が人間の免疫機能の効率を高めるという、さまざまな医師たちによる見解を裏付けるものでもある」と述べている。
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