睡眠時無呼吸症候群、認知症リスク高める可能性 加研究

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◆等級も重度になりやすく
研究チームはOSA患者のあいだで認知症の率が高いことだけでなく、その度合いも重度の傾向にあることを突き止めた。OSAの人々のうち60%は、そうでない人々よりも認知機能テストでのスコアが低いという結果になっている。

認知機能テストでは被験者に対し、現在の日付やいまいる都市の名前など、簡単な質問を行った。また、単語を記憶してもらい、一定時間後に思い出してもらう記憶力テストも実施している。こうした問題を経て、個人ごとに30点満点で認知機能が評価された。26点以上ならば正常、18点から25点ならば軽度の認知障害、それ未満では中等度ないしは重度の認知障害だと判定される。

結果、非OSA患者の平均得点が23.6点だったのに対し、OSA患者の平均点は20.5点に留まった。認知症を患う人々のなかでも、OSAの人々は比較的重度の認知障害にあるという傾向が確認された。

◆研究チーム、治療法の確立に期待
研究チームは今回の発見を悲観的に捉えるのではなく、将来対処法を確立するための重要な布石だと捉えているようだ。チームは科学関連のニュース・リリースを扱う『ユーレカ・アラート』(2月28日)上に発表したリリースのなかで、「閉塞性睡眠時無呼吸症候群がこのような(認知症の)人々に対してどのように影響するかを完全に解明することは重要です。なぜなら治療により、思考と記憶能力を向上し、人生の質を改善できる余地があるからです」と述べている。

チームはまた、「より良い睡眠は脳に有益であり、認知能力を向上させる働きがあります」とも言及している。充実した睡眠が人生の質を高めるということに間違いはなさそうだ。

なお、本調査は予備研究の段階となっている。4月に開催される第73回米国神経学会議で追って正式な研究結果が発表される予定だ。

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Text by 青葉やまと