睡眠が女性の生殖機能に影響か 不妊に悩む女性の睡眠、53分短く 英研究

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◆質より量を優先すべき
一方で睡眠の質については、生殖機能への影響はさほど大きくないようだ。調査前の段階で被験者たちは、ピッツバーグ睡眠質問票と呼ばれるアンケートを通じ、眠るまでにかかった時間や睡眠の質などを回答している。結果を解析したところ、グループ間で有意な差は見られなかった。このことから調査チームは、「睡眠の質ではなく量が生殖の調整装置になっていることを示している可能性がある」との推論を述べている。

仮に睡眠時間を増やすことで不妊を改善できるとなれば、この問題に悩むカップルにとって朗報となりそうだ。研究結果を受けて英テレグラフ紙(2月20日)は、「あと1時間の睡眠で女性の生殖能力が上昇か 研究より」と題する記事を掲載している。「新たな調査によると、子供をつくることに苦戦している女性たちは夜に1時間長く寝ることで、妊娠の可能性を向上できる可能性がある」と記事は述べ、本研究による効果に期待を示している。

◆さらなる研究へ
調査結果に対し、ほかの研究者も関心を持っているようだ。テレグラフ紙は、英キングス・カレッジ・ロンドンの生殖医学の教授であるヤコブ・ハラフ氏によるコメントを掲載している。氏は「この研究は、生殖能力の問題が睡眠パターンあるいは睡眠時間に関連しているかもしれないということを示す点で興味深く、さらなる調査を必要とするものだ」との見解を示している。

これまで睡眠サイクルが人体のバイオリズムに大きな影響を与えていることは認識されていたが、睡眠と女性の生殖機能との関係にはこれまで明らかになっていない部分が多かった。研究チームは、睡眠の重要性を考えれば「こうした研究の不足は驚くべきものだ」と述べている。

なお、本研究では不妊に悩む女性ほど睡眠時間が短いという傾向が確認されたが、相関関係を示すものであり、因果関係を示すものではない点に注意が必要だ。また、被験者も88名に留まるため、研究チームは「ここで得られた先行データを用いたより大規模な研究が有益となるだろう」と述べ、さらに本格的な研究が必要だと論じている。

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Text by 青葉やまと