満月の前は睡眠時間50分短く 満ち欠けにあわせ変動 米研究
いつもと同じように暮らしていても、よく眠れる夜とそうでない夜があると感じないだろうか? 寝足りない日々が周期的に訪れるなら、それは満月のせいかもしれない。ワシントン大学の研究により、月齢の周期にあわせて睡眠時間が最大で50分ほど変化することが明らかになった。
◆満月が近づくと寝不足に
研究論文は米シアトルのワシントン大学が米科学雑誌『サイエンス・アドバンシス』で発表したものだ。98名の被験者から収集されたデータを分析したところ、満月が近づくにつれて睡眠時間は短くなり、入眠のタイミングも遅れてゆく傾向が確認された。満月の前にピークを迎え、人々は平均して30分遅く眠りにつき、睡眠時間は50分短くなる。その後は再び睡眠時間が増え、月齢周期である29.5日とほぼ一致するサイクルで変化を繰り返す。
調査はアルゼンチンの先住民族であるトバ族98名を対象として、医療用の腕時計型体動センサーを用いて1ヶ月から2ヶ月間の睡眠データを収集する形で実施された。被験者はその生活環境から3つのグループに分けることができ、夜間に照明を使う都市部のグループ、照明を使うが各部屋に電球1個程度のみを使用しているグループ、そして夜間は照明をまったく使用しないグループとなる。照明を多く使うグループほど夜遅くまで起きている傾向にあったものの、月の満ち欠けに応じた入眠時刻と睡眠時間の変化はすべてのグループで確認された。また、これとは別にワシントン大学の学生464名を対象にした追加調査においても、同様の傾向が確認された。
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