インド新幹線、26年に時速350kmで試験へ 車両はE5系を現地化

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 インド高速鉄道の建設が急ピッチで進んでいる。インドの高速鉄道構想としては7路線が存在するが、このうち日本の新幹線システムの導入が決まっている路線は、東部ムンバイからアーメダバードまで北上するものだ。空路に勝る快適な旅路の実現に向け、日本の新幹線技術に期待が寄せられている。2026年の試運転に続き、翌2027年の営業運転を目指す。

◆500キロを駆ける新路線
 本路線は全長508キロの区間をほぼ直線状に走る。所要時間は2都市間の12駅すべてに停車した場合2時間58分となる(停車駅を限定した場合は最速2時間7分)。東京・大阪間より1割ほど短い距離を、同区間の「ひかり」と同じ所要時間で結ぶイメージだ。列車は最高時速350キロで走行する性能を有し、営業運転はこれをやや下回る最大時速320キロで行われる計画だ。

 これまで空路が優位だった同区間だが、高速鉄道により鉄路の利便性が注目されそうだ。プロジェクト関係者はインディアン・エクスプレス紙(4月14日)に対し、「旅行者にとって画期的な存在となり、空の旅の競合となることでしょう。高速鉄道のチェックインに必要な時間は短く、足元のスペースに余裕があり、なにより飛行機にはない接続の利便性があります」と述べている。

 駅舎の設備も充実しそうだ。ちょうど中間地点の駅となるスラート駅の建設現場を訪れたインディアTVは、2階建ての駅の中に待合室や簡易的なレストラン、授乳室などが設けられると伝えている。

 インディアン・エクスプレス紙によると、2026年にグジャラート州のビリモラとスラト間で走行試験を行い、最高時速の350キロで走行する予定だ。

Text by 青葉やまと