オレンジジュース価格が上昇 フロリダ産が記録的な不作

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 アメリカでオレンジジュースの価格が上昇している。病害の発生で産地フロリダの収穫が激減したためだ。オレンジジュースの消費量はここ数十年で減少していたが、パンデミックが始まって以来増加しており、新たな需要と供給のミスマッチが起こっている。

◆病害深刻、解決策なく収穫量が激減
 フロリダのオレンジ農園を襲っているのは、カンキツグリーン病という病害だ。細菌によって引き起こされ、昆虫による媒介や接ぎ木によって伝染し、ゆっくりと木を蝕んでいく。これにより収穫量は減り、実の品質も低下する。残念ながら、確実な治癒をもたらす対処法は現在見つかっていない。(ローカル局WFTSタンパベイ

 WFTSによれば、1月12日付の見通しでは今シーズンの収穫量は約16%減となり、フロリダの柑橘産業がいまよりずっと小さかった1940年代のレベルに戻るとされている。フォーブス誌に寄稿したジャーナリストのサイモン・コンステーブル氏は、これから2月末までは厳冬による霜の害も予想され、収穫にさらなる影響が出る可能性もあるとしている。

Text by 山川 真智子