中国、35年に成長率1%に? 危惧される高齢化の影響
◆移民なしでは若返りできず 生産性がカギ
人口減少は多くの国で問題化しているが、移民により人口増が予測されている国もある。たとえばアメリカでは2050年までに移民の流入により4100万人の人口増が見込まれている(ロイター)。さらに移民は人口の若返りにもつながっており、高齢化を遅らせる効果がある。
中国の場合は移民受け入れには積極的ではないうえ、国外への人口流出で2050年までに1400万人の人口減が予測されており、生産年齢人口がますます多くの高齢者を支えることになる。よって、中国の今後の成長は、個々の労働者がどれだけ生産性や労働の価値を高めていけるかにかかっているとロイターは述べる。
◆世代交代で生産性向上へ 壁は共産党?
上海大学アジア人口研究所のギョーム・マロワ氏とそのグループは、労働参加や教育など生産性に影響する重要な要素を考慮した手法で潜在的な人口動態と経済発展を分析した。結論として、中国の今後の経済成長は最近報告されているものよりずっとポジティブになると述べている。(ユーラシア・レビュー)
この研究によれば、2025年以前に労働者総数は減少するが、新たに労働市場に参入する若年層は退職する高齢者よりもはるかに高い教育を受けており、生産性が高まる。低学歴者と高学歴者の入れ替えが起こることで、高齢化の悪影響を相殺できる可能性があるという。国際応用システム分析研究所の人口統計専門家、ヴォルフガング・ルッツ氏は、出生率の向上よりも現在と将来の世代が高い教育を受けられるようにすることが高齢化の課題に対処する鍵だとしている。(同)
一方、米トリニティ・カレッジの経済学部名誉教授、Wen Guanzhong氏は、政治的問題に目を向ける。中国にとって安価な労働力に頼り労働集約的な製品を生産・輸出するというモデルはもはや不可能なため、産業技術のアップグレードが必要だ。しかしいくつかの先進国との経済的関係を断ち切ったいまは、技術を調達し独自に刷新することが難しくなっていると指摘。さらに反対意見を統制し、政治的イデオロギーをあらゆる活動分野で浸透させようとする共産党の方針が、技術革新をさらに困難にしそうだと見ている。(RFA)
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