牛乳飲まなくなったアメリカ人、なぜ? 代わりに飲み始めたのは?

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◆原因は複数 シェアを奪ったのは意外な飲み物
 消費が減った理由としてまず上げられるのが、牛乳をかけて食べる朝食用シリアルの人気低下だ。近年は糖分の多いシリアルが避けられ、プロテインの多い朝食が好まれる傾向だとCNBCは説明する。また、育ち盛りの子供のいる世帯の減少も、牛乳消費が伸びない理由の一つだとマーケット・ウォッチは指摘している。

 健康志向で、植物性ミルクの人気が高まったことも影響している。ニールセンのデータでは、過去4年で乳成分を含まないミルクのセールスは23%増加した。健康を気にする消費者は乳製品摂取に慎重になってきており、豆乳、アーモンドミルクなどが代わりとして人気だという。トレンディなコーヒーショップでは、オーツミルク(麦ミルクの一種)などの代替乳を使ったカフェラテが提供されている(CNBC)。

 もっとも、植物性ミルクが牛乳に取って代わったわけではない。過去4年間ではミルクの販売量は3億3300万ガロンも減っているが、植物性ミルクの増加はたったの6000万ガロンだ。残りの2億7000万ガロンを埋めたのは何かという話になるが、実は牛乳が失ったセールスの半分を奪っていったのは水だった(CNBC)。

 マーケット・ウォッチによれば、ボトル入り飲料水の消費は爆発的に増えており、いまやコーラなどの炭酸飲料をしのぐ。2016年には一人当たり約148リットル以上が消費されている。

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Text by 山川 真智子