中国の高速鉄道、効率無視で負債86兆円 それでも建設は続く

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◆不採算路線続々 持続不可能の声も
 金融危機後の景気を支え、移動時間を劇的に短縮させた高速鉄道だが、中国メディア財新に寄稿した北京交通大学の趙堅氏は、運営をする国営中国鉄路総公司が多額の負債を負っていると述べ、2018年の9月時点で負債総額は5兆2,800億元(約86兆円)もあるとしている。同氏はFTに対し、中国鉄路総公司は常に補助金頼みで、負債の支払いのために新しい負債を増やし続けていると説明している。一部の批評家からは、元本はおろか負債の利子さえ払えない路線も多くあり、補助金に頼る持続不可能な高速鉄道は、債務危機が起きるのを待っているようなものだ、という批判も出ているという。

 同氏はさらに、高速鉄道の建設費は普通の鉄道の2~3倍もするのに、運用が効率的ではないとする。北京-上海など1キロ当たりの年間乗客数が4800万人というドル箱路線もあるが、人口が少なく広大な地域に作られた蘭州-ウルムチ路線(路線距離約1900キロ)などは、230万人ほどだ。全体の平均は1700万人で、日本の新幹線の平均3400万人には遠く及ばない。

 Arcadis Asiaの交通コンサルタント部門のトップ、ジョナサン・ビアード氏によれば、高速鉄道に最適な距離は、300~500キロで、これより短ければ自動車が、長ければ飛行機の方が優位ということだ(FT)。全土に高速鉄道網を広げることが中国政府の国策だが、人口密集地帯に比較的短距離で通すのが最適という基本的な高速鉄道の経済学を無視しているとFTは述べている

                                                                                                                 
Text by 山川 真智子

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