人口流出、より貧しい国からの移民 ポーランドに見る欧州の移民の流れ

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◆人手不足もEUの難民受け入れは拒否
 ポーランド経済は絶好調で、今後さらにたくさんの労働力が必要になると見られるが、近隣国以外からの移民には慎重だ。実は右派「法と正義(PiS)」政権のもとにあるポーランドは、中東からの難民受け入れを拒否し、EUから厳しく批判されている。

 ポーランドのKonrad Szymanski欧州担当国務長官は、リベラルな西側社会でさえ文化的差異にどこまで対応すればいいのかが問題になっているのに、「共生、協力など、中東との特別な経験はない」ポーランドには、難民受け入れはできないという趣旨の発言をしている(カナダ、グローブ・アンド・メール紙)。

 国民の間にも、中東やアフリカの難民への不信感は強い。グローブ・アンド・メール紙が紹介した2016年4月の調査によれば、中東、アフリカからの難民を受け入れるべきかという問いに解答したポーランド人の71%が反対、25%が賛成の意を示した。これに対し、ウクライナの紛争地帯の難民を受け入れるべきかでは、反対は33%で、賛成は60%となっており、異文化、異人種には不寛容なようだ。

                                                                                                                 

◆ライバル出現。労働者獲得が激化か?
 もっとも、ポーランドが引き続きウクライナに労働力を頼れるかどうかは不明だ。昨年6月より、ウクライナ人はビザなしで90日間ほとんどのEU加盟国への渡航ができるようになった。これは就労できることを意味するものではないが、ウクライナ人労働者にとって、西ヨーロッパの労働市場が開かれる最初のステップになるものとDWは見ている。

 さらに残念なことに、ポーランドの起業家と雇用者で作る組合ZPPによれば、今後30年間の成長を維持するには、新たに500万人の労働者が必要となり、ウクライナ人だけでは穴は埋められないということだ(DW)。欧州ではポーランド同様、労働力を移民に頼る国も多いだけに、今後の労働者獲得競争は熾烈を極めることになりそうだ。

Text by 山川 真智子

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