スカラ座客の憩いの場「カフェ・ヴェルディ」が存続の危機 経済は文化を葬ってよいのか?

ヴェルディ通りを歩いていくと、このような外観が迎えてくれる

◆絶体絶命の危機
 しかし、そんなカフェ・ヴェルディも絶体絶命の危機に直面している。この店の入っている建物が、アメリカ企業ブラックストーンに買い取られたのだ。

歴史的建造物のこの建物全体が売却された

 2021年1月21日に「売却が成立した」と、ANSA通信など複数のメディアが報じた。それによるとブラックストーンはミラノやトリノの13物件を購入、カフェ・ヴェルデイのある建物は高級ブランド店を集めたファッションビルになる予定だという。次の賃貸契約更新時には確実に家賃が高騰すると思われるが、家賃を払えない店は立ち退きとなる。近所の美容室は早々に閉店して去って行った。このままいけば2024年いっぱいでカフェ・ヴェルディも店を畳まなければならない。ミラノにとって、クラシックファンにとって、大切な歴史を刻んできた店が、経済力で潰されるのを止める手立てはないのだろうか。

在外ジャーナリスト協会会員 中東生取材
※本記事は在外ジャーナリスト協会の協力により作成しています。

Text by 中 東生