イギリスの「国民食」となったカレー 英発祥のチキンカレーが一番人気

チキン・ティッカ・マサラ|nelea33 / Shutterstock.com

 イギリス料理といえば全般的に「まずい」のイメージが定着し、イギリスは長らく食文化に乏しい国として知られてきた。しかし移民の国となった現代のイギリスでは、世界中から持ち込まれた多彩な料理が食文化の一角を占めている。なかでもカレーは広く普及しており、国民食と呼ばれるまでに一般化している。

◆カレーの魅力はおいしい、安い、簡単
 料理レシピサイト『スラープ』によれば、イギリスには何千ものインド料理店があり、家庭でカレーなどを作る人も多いという。インド料理は中華、イタリアンに次ぐ人気料理で、2016年の調査では回答者の33%が前の週にインド料理のテイクアウトをしたと答え、36%がインド料理店で食事をしたとしている。

 カレーの魅力の一つは、おいしさに加え値段が手頃なことだ。スラープによれば、一般的なカレーは3〜4ポンド(約480〜640円)ほど。クリスチャン・サイエンス・モニター紙(CSM)の取材に答えたイギリス人女性は、子供のころからテイクアウトのカレーを食べ、インド料理店に行っていたと話す。一般的なイギリス人なら誰もが同じ経験をしているはずだと答えている。

 家で簡単に調理ができることも人気の理由だ。カレーの材料は少なく、作り方もシンプルだ。スパイスを多く使う料理だが、具を入れるだけのカレーソースなどがどこでも売られており、短時間で作ることができるため重宝されている。

Text by 山川 真智子