「ドイツはもうだめ」まさかのGL敗退にメディアもショック 衰退指摘も

Darko Bandic / AP Photo

◆もともと苦戦 監督も落胆
 もっとも、ドイツチームは初戦の日本戦を1-2で落とし、2試合目のスペイン戦は1-1の引き分けと苦しい戦いを続けていた。自力でのグループリーグ突破が難しくなり、大方の予想がグループリーグ敗退だった日本の最終戦の結果に望みを託す形になったことに、不甲斐ないと感じる人は多かっただろう。

 ドイツのハンジ・フリック監督はコスタリカ戦後に、「落胆は非常に大きい」と述べ、今大会の敗退の理由は思うように得点できなかった効率の悪さだったと述べた(CNN)。

(ツイッターテキスト訳)これで終わった。我々は敗退だ。今夜すべきことはやったが、3試合を通じては十分ではなかった(ドイツサッカー連盟)

◆監督にも問題? もう一流チームではない
 しかし、ニューヨーク・タイムズ紙に寄稿したドイツのサッカージャーナリスト、フィリップ・コスター氏は、期待外れのパフォーマンスは監督の責任だと断じる。フリック氏は実利主義者でビジョンやインスピレーション、ロマンとは一切無関係で、会見もつまらないと指摘。そのうえサッカー界は変化しているのに、何も変えなくても再び成功できるという幻想を抱いていると述べる。近年のドイツサッカーの魅力を損なっているリスク回避の姿勢を、攻撃と楽しみを追求する形に変えなければならないと主張。そのためには変化を促す代表監督もまた、自己改革が必要だと苦言を呈している。

 ドイチェ・ヴェレは、ドイツはもはやトップレベルのチームではないとする。統計がそれを証明しており、ドイツはトーナメント戦のここ10試合で3勝しか挙げていないと述べている。チームが年齢の高い選手に支えられていることも問題で、引退をほのめかしたミュラー選手に続き、ベテラン選手が今後引退してもおかしくはないとしている。その一方で、過去に成功していたユースの育成は2014年以降適応が遅れ、改革が進んでいるものの、実を結ぶまでには10年かかると指摘。今大会の反省はこれから行われるだろうが、明らかにドイツはもうエリートではないと述べている。

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Text by 山川 真智子