37年前のケイト・ブッシュの名曲『神秘の丘』再ヒット 若者の心を掴み拡散

Philip Chappell aka squidney / Wikimedia Commons

 1985年にリリースされたケイト・ブッシュの『Running Up That Hill(邦題:神秘の丘)』が6月11日付のビルボードホット100で8位にランクインした。ネットフリックスの人気ドラマで使用されたことから火がつき、TikTokで拡散されたことが再ヒットにつながったということで、いまどきの現象として注目を浴びている。

◆リリースは約40年前 全米1位なるか?
 ニューヨーカー誌は、ホット100はポップミュージックのトレンドを知るうえでは不完全としながらも、役立つシグナルを送ってくれるものだと述べる。最近のトップ10にはハリー・スタイルズ、ジャック・ハーロウ、リゾといった予想通りの名前が並んでいるが、そのなかにカバーでもなく、リミックスでもなく、挿入歌でもないオリジナル・バージョンの『Running Up That Hill』がランクインしていることに目を引かれるとした。

 ケイト・ブッシュは実験的なアーティストとして知られ、印象的でアクロバティックな歌声や幻想的なビジュアルセンスで、イギリスのプログレシーンを沸かせる存在だった。デビュー・シングル『Wuthering Heights(嵐が丘)』は女性が作詞・作曲・演奏した初の全英ナンバーワン・ヒットとなり日本でも人気を得たが、アメリカでの成功は叶わなかった。『Running Up That Hill』は実に37年をかけて全米トップテン入りを達成。2011年以来新作を発表していない彼女にとって初の全米ナンバーワン・ソングとなる可能性も出てきた。

Text by 山川 真智子