ウクライナの文化遺産を守る ユネスコ、現地が奔走

リビウ国立間博物館でイコノスタシスを移動させる作業員(3月4日)|Bernat Armangue / AP Photo

 戦禍のウクライナでは、一般市民が被害にあっていることに加え、各都市におけるさまざまな文化遺産も爆撃のリスクにさらされている。国連教育科学文化機関(UNESCO、ユネスコ)などを筆頭に、文化遺産を守る動きが進んでいる。

◆ユネスコの働きかけ
 8日に発行されたユネスコのプレスリリースでは、文化遺産を戦災から守るためのアクションが説明されている。ユネスコのオードレ・アズレ(Audrey Azoulay)事務局長は、「歴史の証、そして未来の平和と結束のカタリストとしてのウクライナの文化遺産を保護しなければならない」とコメント。その最初のステップが、保護すべき文化遺産やモニュメントを明らかにし、1954年ハーグ条約(武力紛争の際の文化財の保護に関する条約)に基づき、特別な保護対象にするという働きかけだ。1954年ハーグ条約では、文化遺産と軍事目標となるような施設との間に距離を置かなければならないという規定などが含まれる。

 優先順位が高い文化財としては、首都キエフにある聖ソフィア大聖堂と関連する修道院建築物群、キエフ・ペチェールシク大修道院が挙げられている。ウクライナには、聖ソフィア大聖堂を含め、世界遺産に指定されている場所が7つある。またウクライナ各地にある博物館・美術館では、多くの文化財を所蔵している。たとえば、オデッサにあるオデッサ美術館にはロシアとウクライナの美術品を含む、1万点以上の芸術作品が所蔵されている。(インディアン・エクスプレス

 ユネスコは、ウクライナ現地の文化遺産管理者や博物館長などの文化遺産関係者などとの連携を深め、支援を拡大するとともに、衛星画像を使ったモニタリングも実施しているとのことだ。ユネスコ世界遺産センター長であるラザール・エルンドゥ・アソモ(Lazare Eloundou Assomo)は、すでに十数ヶ所の重要文化財が、ユネスコのパートナー機関である国際連合訓練調査研究所(UNITAR、ユニタール)によって、モニタリングの対象となっているとのことだ。ユネスコは、その他の関連機関に対しても支援と協力を呼びかけている。

Text by MAKI NAKATA