IOC認めても不公平? トランス選手の五輪出場が物議 NZ女子代表

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 ニュージーランドの重量挙げ女子東京五輪代表に、トランスジェンダーのローレル・ハバード選手が選ばれた。五輪史上初となるトランスジェンダー選手の出場は、多様性を認める上で重要だと歓迎する声もあるが、男性として生まれた選手のほうが生物学的に有利だという指摘もあり、物議を醸している。

◆ホルモン治療で女性に IOCは参加を許可
 ハバード選手は現在43歳。若い時に自分の女性らしさに気づいており、男性的になろうと「典型的な」男性スポーツ、重量挙げを始めたという。20歳のときに国内のジュニア記録を出したこともあったが、自分に向いていない世界に適応するプレッシャーに耐え切れず、23歳で重量挙げをやめた。その後2012年ごろから女性への転換のため、ホルモン治療を始めている。(ニュースサイト『stuff.co.nz』)

 国際オリンピック委員会(IOC)の現行のガイドラインでは、女性であることを認識している選手は血清中の総テストステロン値を規定値以下に保てていれば、女子カテゴリーに出場することができる。ハバード選手はこの規定を満たしており、2017年から重量挙げに復帰。女子として競うことへの批判、けがなどに悩まされたが、国際大会で好記録を出しており、ニュージーランドオリンピック委員会は、同選手を女子87キロ級東京五輪代表に選出した。(同上)

Text by 山川 真智子