人気衰えないタトゥー 「イグノラント・スタイル」が流行

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 欧米でタトゥーの人気が続いている。アメリカでは、多くのタトゥースタジオがインスタグラムを使ってタトゥーを宣伝し、タトゥー業界の利益は10年前に比べ飛躍的に伸びている。

 昨夏ロックダウンが解除され経済活動が再開されたときには、アメリカ、カナダ、オーストラリアで、タトゥースタジオに予約が集中したというニュースがあった。おそらくヨーロッパでも同じ傾向だったろう。タトゥー人気の過熱に伴って問題も起きている。ヨーロッパでは、皮膚の炎症など健康上の問題も増えていることから、インクに含まれている発がん性物質などの有毒化学物質の使用規制をEUレベルで行うと決定したばかりだ。また、人気が伴う反面、タトゥー除去の需要も増えている。

 タトゥーのデザインはさまざまだが、最近はビジュアル性を強調したものに加え、ユーモア志向が高まり、マンガや落書きのような図柄も流行している。

◆花屋よりもタトゥースタジオが多い?
 スイスでもこの数年タトゥーブームが来たといわれ、5人に1人、若者に限ると2人に1人がタトゥーを入れているという。タトゥースタジオも増えている。スイスの刺青師協会によると、90年代は80店だったが、いまや、各州に届け出済みの店は約700あり、当局による衛生面や使用しているインクの検査を逃れようと届け出ない店(自宅なども含む)も1400ヶ所あるという(アールガウアー・ツァイトゥング紙)。スイスでは2017年に営業活動申告制が導入されたものの、いまのところ、刺青師養成に関しても、開業に関しても国レベルでの認定制度はない。

 スイスには花屋や園芸店が約1400あるから、タトゥーの店の方が多いということになる。タトゥースタジオは、とても気軽に行ける店だといえるだろう。

Text by 岩澤 里美