エンタメ・カルチャー界に希望をもたらすスペインの試み

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◆バルセロナではテストコンサート
 一方、カタルーニャ州の州都バルセロナでは、12月12日にテストコンサートが行われた。プリマヴェラ・サウンドが資金提供したこの実験には、既往症のない18~59歳の463人が参加した。被験者はいずれもコンサートの2週間前に新型コロナウイルス陰性で、テスト当日に行われた抗原検査でも陰性だった人ばかりだ。会場では、喫煙場所の人数制限や、飲み物の提供をバーゾーンに限るなどの対策が取られ、換気は最適化され、入り口やトイレに列ができないように注意が払われた。参加者は、入り口で配られた布製N95マスクを終始着用したが、ソーシャルディスタンスはとくに取られず、コンサート中に踊ることも自由だった。DJセッション2つとライブミュージック2つで構成されたこのコンサートは5時間続いた。8日後PCR検査を再度行ったところ、463人の参加者の誰も新型コロナウイルスに感染していなかった(プリマヴェラ・サウンド、2020/12/30)。

 この実験結果が発表されて以来、音楽関係者らがSNSで取り上げるなど大きな反響を呼んでいる。同様のテストコンサートは、オランダでも1月に予定されている(『デュール・ヴィ』12/10)。フランスも3月のテストコンサート開催を目指して準備中だ(『アンテルノート』1/11)。

 この一連の動きが、長い停滞を余儀なくされているカルチャー界の出口を照らす一筋の光となることを期待したい。

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Text by 冠ゆき