ヴィーガンチョコ、フランスに根付く? 高まる菜食志向、パリ老舗が開発

カシスチョコレート©Thomas Dhellemmes

◆給食でも3つ星レストランでもベジタリアンメニュー
 実はフランスは、学校の給食に週1度ベジタリアンメニューを供すると定める法律を2018年秋に可決し、2019年11月1日から施行している。いまのところ2年間の試験的施行だが、おおむね好評のようだ。

 ベジタリアン志向の高まりは、外食業にも現れている。サラダバーのようなライトミールの店だけではない。ミシュランの星付きという格式高いレストランにも、ベジタリアン料理を提供する場所が増えているのだ。たとえば、タイム・アウト誌は、パリのベジタリアン向けお勧めレストランに、シャンゼリゼ通りの1つ星レストランコペンハーゲンや、3つ星レストランアルページュも数えている

◆最後の砦? デザートのヴィーガン化
 そんななか、デザートにもヴィーガンを唱えるものが出てきた。世界的に店舗を展開するチョコレート専門店ラ・メゾン・デュ・ショコラでは、この春、バターもクリームも使わないヴィーガンチョコレートを開発したのだ。ラ・ヴィ・アン・ヴェール(緑の生活)と名付けられたこのシリーズは、ヴィーガンなだけでなくグルテンフリーでもある。同社プレスリリースによれば、フレーバーはカシス、オレンジ、レモン、パッションフルーツ、フランボワーズの5種類で、いずれもフルーツの比率を高め、植物性のアガベシロップやメープルシロップ、アボカドオイル、ココナッツミルクを使うことで、従来のチョコレートに遜色なく、よりフルーティな仕上がりとなっている。

パッションフルーツチョコレート©Thomas Dhellemmes

 またラ・ヴィ・アン・ヴェールに先立ち、同社はヴィーガンチョコレートケーキも3月から期間限定発売している。こちらは、日本でも有名なパティシエ、ピエール・エルメとのコラボによる開発だ。カシス風味とバラ風味ケーキのどちらにも、カカオバターやアーモンドミルクを使い、動物性食材もグルテンもフリーなパティスリー作りに成功している。

バラ風味のローズ・デ・サーブル©Laurent Fau

カシス風味のフラール・ド・カシス©Laurent Fau

 和菓子の国日本から見れば、ヴィーガンデザートには目新しさがないが、長年、油脂分と糖分のコンビネーションこそがパティスリーの美味しさだと考えてきたフランスにおいては、ヴィーガンチョコレートはちょっとした改革である。この新作が呼ぶ反響に注目したい。

Text by 冠ゆき

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