羽田空港が2位、世界空港ランキング 「9時間楽しんだ」など海外客に好まれる理由とは?
◆伝統の風情に触れる「江戸小路」
このように空港としての基本機能を満足した上で、日本らしさを最大限に押し出した施設が旅行者のムードをさらに盛り上げる。国際線ターミナルの中二階に設けられた「江戸小路」は、多くの海外旅行客が欠かさず訪れるスポットの一つだ。空港内に江戸の街並みが再現されており、寿司などの日本食とショッピングを楽しむことができる。伝統的な工法を取り入れて往時の景観を再現したという凝ったエリアだ。
豪トラベラー誌に寄稿する旅行ライターのベン・グラウンドウォーター氏は、江戸小路に並ぶレストランの数々を高く評価している。有名ラーメン店の「せたが屋」や「六厘舎」なども支店を構えており、出発前の時間に舌鼓を打つには最適だ。空港内ではあるが、市内とそれほど変わらない価格で楽しめるのが嬉しい。何食分も一度に胃袋に詰め込むことは不可能なのに、沢山の魅力的なレストランが揃ってしまっている、と同氏は羽田空港の「問題点」を冗談交じりに指摘している。
豊富な食とショッピングの選択肢をはじめ、羽田の快適な環境は世界の利用者に好評だ。定時就航率、サービスの良さ、そして店舗の豊富さによって複合的に判断される世界の空港ランキングにおいて、羽田空港は2019年の世界第2位の空港に選出された。ちなみに1位はカタールのハマッド国際空港、3位はギリシャのアテネ国際空港となっている。このランキングは、航空便の欠航時の保証申請などを代行するエアヘルプ社が毎年発表しているものだ。昨年3位だった羽田空港は、今年1ランク上昇となった。