『ボヘミアン・ラプソディ』でオスカーのラミ・マレック、その素顔とは

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 第91回アカデミー賞主演男優賞は、「ボヘミアン・ラプソディ」でクイーンのフレディ・マーキュリーを演じたラミ・マレックが受賞した。アメリカ以外ではほとんど知られていなかったが、この作品の大ヒットで、スターダムに上り詰めた。生い立ちや、売れない駆け出しのころのさまざまなエピソードも紹介され、ハリウッドには稀なスターの出現が注目を浴びている。

◆エジプト移民の子 親は反対も俳優に
 ラミ・マレックは、1981年に双子の兄として、ロサンゼルスで生まれた。両親はエジプトのカイロからの移民で、一家はキリスト教の一派である、コプト正教会の信者だ。ラミ自身はアラビア語を話し、自分に流れるエジプトの血をとても誇りに思っているというが、アメリカ社会で人種的にほかと違う扱いを受けていると感じることがあったという(ミラー紙)。ヒスパニック、フィリピーノ、アジア系などの間で、多様性のある、多文化な環境で子供時代を過ごしたが、自分らしさを形成することが困難だったとガーディアン紙に語っている。

                                                                                                                 

 両親は、経済的、社会的な地位が得られる法律や医学の道に進むことをラミに勧め、俳優になることを望まなかった。しかしラミは芸術と演劇を学ぶことを選んだ。俳優として働き始めたのは15年ほど前で、当時は端役と吹き替えが主な仕事で、ウェイターをして生計を立てていた(ミラー紙)。

 下積み時代にはピザの配達もしており、なんとか役を掴もうと、業界関係者の目に留まることを願って、自分の顔写真と履歴書をピザの箱に貼り付けていた。何年もそれを続けていた甲斐あって、ある日突然連絡があり、仕事を得ることに成功したと本人が語っている(ピープル誌)。

Text by 山川 真智子