2018年の英単語は「Toxic」「Single-use」 英国の辞典が選んだ言葉たち

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◆プラ汚染、政治などあらゆる場面で使われた「Toxic」
 一方でオックスフォードは今年の単語として、「Toxic」を選んだと発表した。「有毒の」とか「中毒を起こさせる」という意味だが、なぜ今年の言葉になったのだろうか? オックスフォードは、「Toxic」という単語が辞書サイトoxforddictionaries.comで検索される回数がここ1年で45%増加し、さまざまな文脈で使用されてきたと説明している。物や状況といった物理的なものから、「Toxic workplace」(有毒な職場)や「Toxic relationship」(有毒な人間関係)など、暗喩として使われたケースも多かったようだ。もちろん、コリンズでも問題として取り上げられたプラスチックに関する表現として、「Toxic plastic」(有毒なプラスチック)のように使われたことも多かったという。

 なお、「Toxic」と一緒に検索された言葉でもっとも多かったのは「Chemical」(化学物質)だったが、2位は「Masculinity」(男性らしさ)だった。「Toxic Masculinity」は「有毒な男らしさ」という意味で、暴力などの行き過ぎた「男らしさ」や、「男ならこうでなくてはいけない」などの固定観念を意味する。「MeToo」運動や、「男性優位」の政治の世界について語る際などで「Toxic Masculinity」という表現が頻繁に使用され、すっかり普段の表現として根付いた、とオックスフォード辞典は述べている。

Text by 松丸 さとみ