自分と正反対の人に惹かれる 広く信じられている恋愛の迷信

Dean Drobot / Shutterstock.com

◆あなたの長所で私の短所を補うということ
 品行方正な女の子なのに、素行不良で問題児の男の子と付き合うことになる、といった自分には無い気質を具有するパートナーを見つけてしまう人がラブ・ストーリーには頻繁に登場する。このように、両者は互いに補完し合っているように見える。たとえば、夫婦のどちらか一方が外交的で陽気な性格なのに、他方は恥ずかしがり屋で生真面目である場合などだ。パートナーの両者が、他方を理想的な相手だと見ていることは容易に理解できる。片方の長所が他方の短所を補って釣り合いを保っている。実際、引っ込み思案で恥ずかしがり屋の人をなんとか外へ連れ出そうとして、その人を明るくて外向的な人と仲良くなってもらおうと東奔西走するその人の友人や親戚たちのことが容易に頭に浮かぶことだろう。問題は、人は実際に自分を補完してくれるパートナーを探しているのか、それとも、そんなことは映画の中だけでしか起きない話なのか、ということだ。

 結局のところ、これは純粋に架空の話に過ぎない。人格、興味の対象、学歴、支持政党、生い立ち、宗教や他の気質が自分とは違う、ということでより相手に強く惹かれるようになることを示す学術的な証拠は、そもそも一切発見されていない。

 たとえば、ある調査で、大学生たちは、自分自身の知らないことを略歴に書いているクラスメートより、自分自身、もしくは自分が思い浮かべる理想像に似た略歴を紹介したクラスメートのほうにより強い好感を抱くことを研究者たちは発見した。他の研究もこうして得られた知見を支持している。例えば、内向的な人は他の誰かに惹かれることはあっても、外向的な人に惹かれることは稀である、といった具合だ。

◆なぜ自分と正反対の人に惹かれてしまうと断言できるのか?
 ここまで圧倒的な証拠が揃っているにも関わらず、なぜヘテロガミー仮説の神話は崩れないのだろうか? ここに、おそらくいくつかの新しい要因が作用している。

 まず、コントラストはより際立つ傾向にある、ということだ。たとえ、カップルのパートナー双方がどれほど多くの点で似通っていたとしても、結局、互いの相違点について言い争いになることがある。

 その上、最初は夫婦の違いが微小だったとしても、時がたつにつれ徐々にその違いは大きくなる、という証拠もある。心理学博士のアンドリュー・クリステンセン氏、ブライアン・ドス氏およびニール・ジェイコブソン氏は、共著の自己啓発本『Reconcilable Differences』の中で、パートナーたちが時間の経過につれてどのように相補的な役割を果たすようになるかを解説している。

 たとえば、夫婦のどちらか一方が他方より少し多くユーモアがある場合、ユーモアの多いほうが「愉快な人」の役を担うようになり、ユーモアの少ないほうは「真面目な人」の座に就こうとするようになる、と言う。科学者たちは、時が経つにつれ、パートナー達は互いにより多く相補しあうようになることや、最初は極めてよく似ていた者同士であっても、程度の差こそあれ自分を差別化する方法を見いだしていくことを実証した。

 つまるところ、自分に似ていることに起因する魅力は、自分とは違うことに起因する魅力を遥かに上回るのだ。人は、自分と反対の人に惹かれる、という考えに固執する。しかし実際は、比較的似た者同士のパートナー達が、時間が経つにつれ、ほんの少し互いの相補性が強まるだけのことなのだ。

This article was originally published on The Conversation. Read the original article.
Translated by ka28310 via Conyac

The Conversation

Text by The Conversation

Recommends