金正恩氏、キムチ作りに科学を応用 「キムチ・アナライザー」で分析

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 金委員長は、ミサイル科学者と原子力技術者を住まわせるために平壌市内に新たに高層アパートを建設した。キムチ工場マネージャーのペク氏は、APの記者に施設を案内しながら、キムチのような古くからの素朴な技術でさえも科学革新の恩恵を受けていることを繰り返し強調した。

 金委員長の「現地指導」にも同行したというペク氏。現在工場では150名の労働者が働いているが、ほとんどのプロセスは自動化されているという。

 ペク氏は、工場の一番の目標は「あらゆるステージにおいて、科学的な方法で」操業することだと述べた。キムチ製造においては、それは具体的には、品質と衛生を確保するために生産ラインの徹底した検査を行うことを意味する。さらにこの工場には、最適なレベルの塩味と乳酸量、 その他の主要成分の適正値を維持するため、独自の「キムチ・アナライザー」を装備している。

 北朝鮮と韓国は、何世代にもわたってキムチを作り続けており、母親から娘へ、あるいは息子の嫁へと、家族秘伝のレシピを伝承することが広く行われてきた。

 ユネスコは2015年、冬の時期に備えて大量のキムチを作るための伝統的なノウハウや材料を共有することで、家族や村々、地域社会の協力を促進し、社会の結束を強めることに貢献するものとして、キムチを「人類の無形文化遺産」リストに追加した。

 工場マネージャーのペク氏は、多くの人々が共同キムチ製造の大切な伝統を放棄することに抵抗を感じるかもしれないと認めつつも、 「しかし彼らはまた、この工場で造られた製品の品質と信頼性も理解しています」と述べた。

 この工場では、白菜を丸ごと使った赤味が強く非常に辛い定番のトンキムチから、子供むけに設計された辛味の弱いキムチに至るまで、8品目のキムチ製品を生産している。ここから出荷されたキムチ製品は、平壌周辺のレストランや食料品店に配給される。

「ここをモデルに、ここと同様の工場が、すべての地方で計画されています」とペク氏は語った。

By ERIC TALMADGE, Pyongyang (AP)
Translated by Conyac

Text by AP