二日酔いにならない新アルコール「アルカレール」 英国で開発中

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◆安全への意識がネックか
 新たな合成アルコールとなれば、気になるのは人体への安全性だ。開発チームはエタノールによる害を生じさせないことが使命だと述べており、安全面での配慮を強調している。チーム内部で独自の評価およびテストプロセスを実施しているほか、第三者機関による正式な臨床試験を行い、政府の基準に適合していることを確認するという。また、国外でアルカレールを販売する際には、輸出先の各種法令に適合するよう追加の検査を行うとしている。

 ただし、消費者がどう感じるかはまた別の問題だ。市場調査会社の英ミンテルでアナリストとして活動するジョニー・フォーシス氏は、ガーディアン紙の取材に対し、一般消費者は自然由来のものこそ健康的であると捉えがちだと指摘する。もちろんこれは必ずしも真ではなく、たとえば「大麻は植物由来なのである程度安心である」という誤った意識が横行しているのも事実だ。とはいえ消費者の根底意識は変えづらいため、化学物質によるアルカレールも、消費者に警戒される可能性は否めない。

 一方でフォーシス氏は、二日酔いのつらさとは無縁で飲酒の喜びを味わえることは強力な利点になり得るとも分析している。心ゆくまでお酒を楽しみたい人々は、合成アルコールを抵抗なく受け入れるのかもしれない。

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Text by 青葉やまと