遠隔操作の出前ロボット「COCO」がAIに頼らないワケ LAで導入進む
◆LA飲食店が直面する人材不足に対応
ロサンゼルスマガジンによれば、ロサンゼルスでは新型コロナウイルスの影響で40万人近くが職を失い、なかでも外食産業の従事者は10万4600人に上った。これまでも不法移民や、エンターテインメント業界での成功を夢見てやってくる労働者に支えられてきたLAの飲食業界だが、すでにウーバーやリフトといったアプリビジネスに鞍替えする若者が増えるなかで、感染の危険にさらされる低賃金労働者の確保はますます難しくなったという。
COCOはロボット操縦士を「パイロット」と命名し、自社で雇い入れる形態を取る。ハンセンさんによると、「最初のパイロットは、ビデオゲームの経験豊富なUCLAの学生でした。ビデオゲームに要する集中力と手と目の協調運動は、私たちのパイロットに要求されるものとかなり似ています」と話す。
COCOのパイロットは全員、初めての配達を始める前に30時間以上の訓練を受ける。なかには、この訓練に通過できない人もいるという。この訓練でパイロットは安全で、歩道を利用するほかのすべての人に敬意を払う方法を習得するという。「COCOは、ペットも含むすべての歩道利用者を優先するように訓練している」とハンセンさん。
企業の透明性を伝える情報サイト、グラスドア(米国版)によれば、COCOのパイロットの平均年収は8万5000ドル(約1200万円)を超える。