影響力増すZ世代、企業が知るべき彼らのサステナビリティへの考え方

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◆人材獲得にも大きく影響
米保険大手マーシュ・マクレナンのレポートによると、ESG(環境・社会・企業統治)スコアが高い雇用主は、従業員と候補者の両方から魅力的であると評価されている。Y世代の従業員の96%は、環境について非常に懸念していると主張しており、雇用主がより持続可能になるための措置を講じることを求めている。実際、従業員の4人に1人は、雇用主のサステナビリティ意識が低いことがわかったら辞めると答えた。この調査結果は、企業はESGスコアを上げることで従業員の満足度を向上させ、将来の従業員を引き付けることができることを示唆している。

カナダの建設会社エイコンの人事担当シニアバイスプレジデントであるゴルダナ・ターカラス氏は「候補者は、技術的能力が認められるだけでなく、将来の世代に影響を与える環境を提供できる組織やサステナビリティに積極的に取り組んでいる企業を探しています。私たちにとって、サステナビリティに焦点を当てることは、単にレポートを作ることよりも深いものになり、人々が本当に繁栄できるエコシステムを作ることにより重要な焦点が当てられています」と述べた(HRD)。

ミレニアル世代とZ世代は2029年までに、世界の労働人口の72%を占めるようになるとも言われる。彼らの世代は、環境と社会への懸念をどの世代よりも重視しており、これらの問題について雇用主により多くを求めることが明らかである。彼らが世界の労働人口の大部分を占めるようになるにつれ、ESGのパフォーマンスは人材をひきつけ維持するためにますます重要になるだろう。

このようにZ世代は消費者としても労働者としても、企業や社会に求めるものは一貫している。Z世代の動きに柔軟かつ迅速に対応しない企業や組織は今後、十分な顧客や人材を獲得していくことは難しくなるかもしれない。

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Text by sayaka ishida