「本家に近づけるのが目標」ロシアのマクドナルド後継店が営業開始
◆モスクワの15店舗が開業
事業売却の発表から約1ヶ月後の6月12日、モスクワにある旧マクドナルド15店舗が開業した。新しいブランド名は、フクースナ・イ・トーチカ(Vkusno i tochka)。日本語にすると「おいしい。以上、それだけ」といったような意味だ。ロゴも刷新されたが、背景の緑やマクドナルドのMを想起させるようなデザインは継続された。アイコニックなゴールデン・アーチなどは取り外されたが、キッチン設備などは旧マクドナルドのもの。ビックマックなど、マクドナルドのブランド名を含めたものを除き、定番メニューは継続されたようだ。フクースナ・イ・トーチカの代表取締役であるオレグ・パロエフ(Oleg Paroev)は、「お客さまが品質や雰囲気の違いに気がつかないぐらいのものを提供するのがゴール」と述べている。この新しいレストランのスローガンは「the name changes, the love remains」で、「名前は変わっても、お気に入りなのは変わらない」といったようなニュアンスだ。従業員のユニフォームには、「変わらないスマイル」と刺繍されている。今回開業したのは、モスクワの15店舗のみだが、残りの店舗に関しても今後随時オープンするとのことだ。
マクドナルドが、モスクワで初めて開業したのはソビエト連邦崩壊直前の1990年。当時、店舗は3時間待ちという行列ができた。マクドナルドの開店は、西の資本主義流入、そしてロシア(旧ソ連)の開国を象徴する出来事であった。30年の時を経て、ロシアと「西」の世界は再び分断してしまうのだろうか。フクースナ・イ・トーチカとマクドナルドの今後、そしてロシアからの撤退や同国での営業停止を決定したスターバックス、コカコーラ、シェル、ルノーといったほかのグローバル企業の今後の動向が注目される。
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