CX-5より良い? 北米専用マツダCX-50、米誌が試乗レビュー

マツダ

◆600万円クラスの乗り心地
 オンロードでの高い性能を歓迎するカー&ドライバー誌は、「CX-50は静かで快適、かつ自信に満ちており、トヨタ RAV4というよりはボルボ XC60のような走りだ」と述べている。CX-50の価格は日本円にして350万円前後からだが、600万円台後半クラスに近い走行フィールを得られたとの評価だ。

 モーター・トレンド誌は、CX-50の精密な走りに感嘆している。正確なステアリングと効きの良いサスペンションにより、曲がりくねった道でも最高のパフォーマンスを得られた、と試乗体験を振り返る。同誌は「ドイツ製のスポーツカーに期待するような正確さ」を得られたとも述べている。ただし、反応の良いステアリングには難点もあり、ラジオ局を変更しようと少し目を離すと一直線に隣のレーン目がけて突き進んでいったという。一般道ではむしろやっかいで、「絶え間ない修正を必要とした」とのことだ。

◆CX-5との共食いに懸念
 価格は、エントリーモデルの「2.5 S」が2万8025ドル(約351万円)からとなる。計9つのパッケージで展開し、最上位の「ターボ プレミアム プラス」は4万2775ドル(約536万円)からの設定だ。スバル アウトバック ツーリングXTをわずかに上回る価格となる。米ロード・ショー誌(3月28日)はCX-5と位置づけが非常に近いことから、将来的にはCX-50がCX-5の後継となる可能性を示しつつも、足元では「販売数の共食いが起きないとは考えにくい」と懸念する。

 生産は、トヨタとのジョイント・ベンチャーの形で新設した米アラバマ州の工場で行われる。米国内生産であることからカー&ドライバー誌は「アメリカの消費者にとってCX-50は、日本で作られるCX-5よりも入手しやすくなるかもしれない。サプライチェーンが順調でない今日においては重要な要因だ」と指摘する。似たセグメントに位置する2車種だけに、アメリカでは物流の問題からCX-50を選ぶことも現実的となってきたようだ。

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Text by 青葉やまと