クラファン7846%達成、仏スタートアップが「日本のトイレ」開発 環境と健康重視

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 フランスで日本の温水洗浄便座にヒントを得たスタートアップ「Boku(ボキュ)」が誕生した。1月28日に締め切られたクラウドファウンディングでは、目標の80倍近い数の注文が殺到。リリース前からその人気ぶりが話題になっている。

◆きっかけは新型コロナ
 ボキュを立ち上げたのは大学を出て間もないウィリアム・モンタギュ氏。開発のきっかけとなったのは、2020年3月の最初のロックダウン時のトイレットペーパー不足の懸念だった。同氏が調べたところ、ヨーロッパ人は年に1人当たり平均120本のトイレットペーパーを使用するが、そのトイレットペーパーを1本作るのには、178リットルの水が消費される。これを由々しき問題と捉えた同氏が、着想を得たのが日本の温水洗浄便座と、現代フランスでは廃れた感のあるビデだ。(20minutes紙、2/19)

 ちなみにボキュという発音は、フランス語で「きれいなお尻」という言葉を連想させるものだ。「お尻」にあたるフランス語は俗語で、通常、書き言葉などでは使われない。その分モンタギュ氏は「事業内容を連想させる愉快な名前で、日本語にもある音」だと考え採用した。(同)

◆クラファンで目標の7846%を達成
 ところで日本のトイレは、主に日本旅行経験者たちの間で静かな人気を呼んでおり、ヨーロッパでも温水洗浄便座を模した製品がすでにしばらく前から手に入るようになっている。しかし、安価なものでも300~400ユーロ(約3万8千円~5万1千円)と高額であるし、フランスのトイレには電源があることがまれで、一般にはまったく普及していない。

Text by 冠ゆき