男性、若者を取り込め 「ダイエット」から「ゼロ」に変わる炭酸飲料

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 1982年、コカ・コーラ社から発売された「ダイエット・コーク」は、減量を目指す人々に受け入れられヒット商品となった。他社もダイエットブランドに参入し、砂糖を使わないノンカロリー清涼飲料水市場は飛躍的に成長した。ところが近年、商品名から「ダイエット」という言葉を外し、代わりに「ゼロ」を採用する動きが進んでいる。

◆最初は医薬品扱い 減量目的の人にヒット
 ダイエット飲料の人気が始まったのは1960年代だ。タルサ大学の研究者で作家でもあるエミリー・コントワ氏によれば、炭酸飲料メーカーの「ロイヤル・クラウン・コーラ」が、1958年に糖尿病患者や糖分の接種制限が必要な消費者のためにノンカロリー飲料「ダイエット・ライト」を発売した。最初は医薬品カテゴリーに入れられていたが、減量に励む人たちに注目され、ヒット商品になったという。その後1963年にはコカ・コーラ社が同社初のダイエットドリンク「タブ」を発売。翌年にはペプシが追随した。(CNN

 ダイエット食品市場が急成長するなか、ダイエット飲料はさらに勢いを増した。そこでコカ・コーラ社は、1982年に「ダイエット・コーク」を市場に投入した。同社は当時コカ・コーラブランドを再活性化する必要性から、ダイエット飲料追加が有効だと考えた。商品名に関しては、当初「シュガーフリー(砂糖不使用)」を使うことも検討したが、コカ・コーラの主成分である砂糖への中傷と思われることを懸念し、「ブランドの約束を最もわかりやすく表現している」という理由で「ダイエット」を採用した。(同)

Text by 山川 真智子