「350Zと同じ興奮」「新旧の融合、美しい」日産Z新型、米で発表

日産自動車

◆350Zの興奮が蘇る
 スペックの面で目を引くのは、406psという圧倒的な馬力だ。2003年型の350Zとほぼ同じ価格帯ながら、エンジンに3.0リットルV6ツインターボを採用した。350Zも性能と価格の優れたバランスで当時注目の的となり、スポーツシーンでの日産のポジションを一気に押し上げた。今回発表の新型は、日産 インフィニティのパフォーマンスモデルである「レッドスポーツ 400」(日本名「スカイライン 400R」に相当)にも搭載されている、VR30DDTTツインターボエンジンを採用している。米カー&ドライバー誌(8月18日)は、「(350Zの登場から)20年近く経った現在、次のZである2023年型Zについて、我々は(350Z登場時と)同じ興奮を感じている」と胸の高鳴りを打ち明けている。

 トランスミッションは6速MTまたは9速ATから選択可能だ。上位モデルではシフトダウン操作を行うだけでエンジンの回転数をマッチングする「レブマッチシステム」を搭載し、経験の浅いドライバーであっても心地よい走行ができるようサポートする。ブラインド・スポット・モニタリングなど基本的な各種安全装備も備わっており、ライバル車種のスポーツカーと比較しても遜色ないとロード・ショー誌は評価している。

◆限定モデルを含む3トリムで登場
 トリムは3つを用意するが、V6ツインターボ・エンジンはすべてに共通となる。それだけに、3万7500ドル(約412万円)前後になるとみられるエントリーモデルの「スポーツ」は、相当コストパフォーマンスの良い選択肢になりそうだ。12.3インチ・ディスプレイや一部にスエード素材を取り入れたシートなど、使いやすさと快適性も確保した。

 上位の「パフォーマンス」トリムではさらに、ヒーター付きの本革シートやボーズ製8スピーカー・サウンドシステムなどを用意する。最上位の「プロトスペック」は発売記念モデルという位置付けで、240台の限定生産となる。コンセプトカーで披露された特装色のイエローにスティッチ入りのシートなど、デザイン面での特別感を演出する。

 新型フェアレディ Zは、2022年春にアメリカでの発売を予定している。

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Text by 青葉やまと