色で簡単チェック、消毒液の正しいつけ方を学べる ドイツ発のアイデア商品が話題

Heyfair GmbH

 新型コロナウイルス感染拡大により、世界中で手洗いや手指用消毒液を使うことが日常の新しい習慣になった。消毒液は家でも外出時でも使うはずだが、どれくらいの量を使ったらいいか、どうやって両手をこすり合わせたらいいか、よく考えて使っている人はほとんどいないのではないか。実は、量が十分でなかったり、つけ足りない箇所があったりするケースもある。

 とりわけ医療従事者には、万全な消毒が求められる。そのため、医療従事者をターゲットにし、消毒液のつけ方を可視化して学べる方法をドイツのスタートアップが開発し、話題を呼んでいる。

◆ピンクに着色し、その後、色が消せる
 ドイツの中央部テューリンゲン州のHeyfairは、医療従事者向けに消毒液の正しいつけ方を学べる画期的なアイデア商品を開発した。SteriCoach(特許取得済)は着色液1本と脱色液1本(各150ml)のセットで、説明書とカラーチャート2枚がついて約4500円。

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 植物性染料を使った濃いピンク色の着色液を消毒液に見立て、消毒液を手につけるようにして手を着色する。ボトルから手のひらに出したとき液は濃いピンクだが、手をこすり合わせるときはほぼ透明だ。手を15~30秒間こすり、十分な消毒効果が得られるといわれる約30秒後に液が乾いてピンク色が現れる。

 ピンク色になったら、チェックの時間だ。写真を見るとよくわかるように、爪や指や手首の所々を塗り残して地肌の色のままになった箇所があれば、正しくつけていなかったということだ。本当はその箇所もピンク色になっていないといけない。

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 もう一つのチェックポイントは、適切量を使ったかどうかだ。カラーチャートを手に当て、色の濃さを判断する。濃いピンクは十分な量を使っており、実際に消毒液を使ったときの効果が100%期待できる状態だ。少し薄いピンクだと消毒の効果は50~60%にしかならないことを示す。とても薄いピンクだと30%の効果だけでまったく量が足りなかったという意味だ。

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Text by 岩澤 里美