英でも発売、GRスープラ2.0L 現地メディアが目を見張った3.0Lとの違い

トヨタ自動車

◆その完成度に心打たれる
 実際の走りも良好だ。3.0Lモデルと比較すると、熟成し丸みを帯びた感覚となっている。EVO誌は「ひとたび走り出すと最初に心を打つことの一つは、乗り心地がさらにどれだけ良くなったのかという点と、こと鋭いバンプへの対処において後軸がいかに改善されたかという点だ」と述べる。タイヤのサイドウォールがより高くなったことと、ステアリングへの反応が良い意味で一拍遅れるようになったことにより、従来よりも滑らかな乗車体験がもたらされた。さらに、躍動感あふれる走りも奪われていない。濡れた路面の低速走行時にトラクションが失われるという弱点があるものの、高速走行ではグリップ力を遺憾なく発揮し、カウンターステアリング気味の場面でも「非常に安定しており余裕がある」と同誌は評価している。

 英オート・エクスプレス誌(1月29日)も「重量削減が幸いし、より俊敏に感じられる」と述べる。操舵の反応も良く、「ステアリングホイールは素早くかつ鋭く感じられ、即座に方向を変えたい際、緊急性と反応(の重要さ)がよく身に沁みる」との評価だ。

◆出力ダウンも、必要十分なパワー
 トヨタ スープラ 2.0の最高出力は258ps、最大トルクは400N·mで、0キロから100キロまでの加速速度は5.2秒となる。3.0Lモデルはそれぞれ340ps、433N·m、4.3秒であるため、数字の上では若干見劣りするかもしれない。しかしオート・エクスプレス誌は、実際に試乗したところそのエンジンは6500rpmまでスムーズな伸びを見せるとし、「さらにパワーが欲しいと思うようなことは一切ないだろう」とコメントしている。

 2.0Lモデルでもう一つ見逃せないのが、価格の変化だ。イギリスで約5万3000ポンド(約800万円)からの設定だった3.0に対し、2.0はおよそ4万6000ポンド(約694万円)からとなる。オート・カー誌は、4万ポンド台のスポーツカーは現状であまり販売されていないと述べ、価格の空白地帯を埋めるモデルとしても歓迎している。

 日本ではさらに割安となり、エントリー・グレードのSZが500万円をわずかに切る価格で入手可能だ。

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Text by 青葉やまと