「完全に別の乗り物」新型MIRAI、米誌も目を見張るデザイン・走りの進化

トヨタ自動車

◆走行感は「完全に別物」に進化
 一般にリア・ドライブのメリットとして、加速性能の良さやステアリング操作への反応の機敏さなどが挙げられる。しかし、現在市場で入手可能な水素自動車として、後輪駆動を採用するモデルはMIRAIのみだ。米カー・スクープ紙は、これまで割高なエコカーというレッテルを貼られてきたMIRAIだが、後輪駆動への変更で価格にふさわしい価値へと近づいたのではないかと見ている。市販の水素自動車としては最もパワフルな185psのモーターを搭載していることから、試乗した感覚としてもポジティブな印象を受けたと同誌は語る。電気自動車を思わせる優れたローエンドトルクと、ガソリン車並みの優秀なウエイト比が同時に感じられたという。

 走行フィールの進化についてはモーター・トレンド誌も、「その(後輪駆動化の)努力は報われ、2021年型トヨタ MIRAIはほぼ完全に別の乗り物のように感じられる」とコメントしている。ステアリング操作への反応がより軽やかでキビキビとしているという。高速でも曲がりくねった道でも、楽しく快適なドライブができるだろうと同誌は述べている。

◆航続距離を向上
 MIRAIに限らず水素自動車の弱みとして、現時点では水素ステーションの少なさに懸念があることは事実だ。しかし2代目MIRAIは、水素タンクの容量拡大とパワーマネジメントの向上により、航続距離を初代比で30%向上した。ステーションの少ない地域を走行する際も、ある程度安心感を持つことができそうだ。

 新型トヨタ MIRAIは国内では2グレード(それぞれにパッケージ仕様を用意)で登場し、すでに販売が始まっている。価格は基本のGグレードで710万円、最上位のZエグゼクティブ・パッケージで805万円(いずれも税込)となっている。

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Text by 青葉やまと