「行先のないクルーズ」も登場 コロナ下で試行する旅客運送業

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◆機内でのグルメ体験
 シンガポールには国内便が皆無であるため、シンガポール航空はパンデミックの影響をもろに受けている航空会社のひとつだ。そのため同社も「行先のないフライト」計画に意欲を見せていたが、「環境保護活動家からの抗議を引き起こした」ため、これを断念した(キャピタル誌、10/2)。それに代わり10月末に同社が企画したのが、機上ディナーサービスである。チャンギ空港のエアバスA380機内で供されるのは、国際料理のほか有名シェフによるシンガポールならではのプラナカン料理。また、11月の学校休暇中の週末に合わせて、キャビンクルーやパイロットのトレーニングセンターの体験見学ツアーも企画している。子連れで楽しめる有意義なレジャーと考える人も多いだろう。

 タイ航空も飛行機とグルメを結びつけたサービスを提供している。9月には飛行機の座席を用いたレストラン「ロイヤル・オーキッド・ダイニング・エクスペリアンス」をオープン。ビジネスクラスで供されるのと同じ料理を提供する(エア・ジャーナル、10/11)。また、シミュレーターを用いたレッスンも開始した。エアバスあるいはボーイングのシミュレーターで飛行機の操縦法を学ぶ集中コース4日間の値段は640ドル(約6万7000円)。こんな時でもなければ、経験する機会の少ない内容だ。

 苦しい状況の続く旅客運送業、工夫を重ねる日々はまだしばらく終わりそうにない。

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Text by 冠ゆき

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