米の若者が好むブランド、1位にプレステ 任天堂なども好印象

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♦︎若者の身近に エンタメブランドの強み
 アメリカの若者に愛好されているブランドとして、ゲームを中心としたエンターテイメント関連が上位10点の半数を占める結果となった。1位のプレイステーション(以下PS)、9位のXbox、10位の任天堂のほか、PSを手がけるソニーが別途24位に挙がっている。比較としてターゲットを全年齢層に広げた場合、PSが辛うじて10位以内にランクインしている程度であり、やはり回答者の年代の生活に密着したブランドが支持を得ていることが伺える。ちなみにZ世代の回答に絞るとXboxが1位、PSは選外となっており、同じゲームブランドのなかでも世代によって趣向が鮮明に分かれているようだ。

 そのほか娯楽系のブランドとしては、4位にディズニー、8位にユーチューブ、15位にネットフリックスがランクインした。ディズニーは全年齢層を対象としたデータでは2位となっている。昨年からランクダウンし首位をアマゾンに譲ったものの、一流企業としての存在感を確保した。

 調査元のMBLMはブランド親密度について、企業が消費者に対して購買行動を促していた従来の一方通行の関係に代わる、新しいパラダイムだとしている。消費者心理に働きかけ、関心を引き、信頼を得るための指標として用いることができるという。

♦︎キーワードは「廉価」「スマホ」
 娯楽ブランドの強みのほか、やはり価格要素も若者に大きく訴求している。24歳以下のZ世代に絞ると、1位となるXboxに続き、2位は無料プランを提供する音楽配信のスポティファイ、3位はルイ・ヴィトン傘下ながら廉価なラインを備えるコスメ販売のセフォラ、4位は低価格でファッショナブルな衣料品を販売するH&Mとなっている。こうしたブランドは価格に敏感な若者をターゲットとし、安価にサービスを提供しながらも、ブランドの価値の維持に成功しているようだ。

 別の側面として、スマホを核としたエコシステムの成長も近年顕著な傾向だ。MBLMはこのエコシステムに属するブランドは、そうでないものに比べて親密度が高い傾向にあると分析している。エコシステムは4つの層から形成される。第1層はアップルやソニーなどデバイス製造ブランド、第2層はディズニーやアマゾンなどのコンテンツ提供、第3層はAT&Tなど通信、そして終端の第4層がアプリ提供各社となる。ブランド親密度の平均値は第1層で48.4%と高く、層を下るにつれ26.6%にまで低下する。スマホを中心としたエコシステムの中核でビジネスを展開することが、ユーザーとの密な関係を築く一つの鍵となっているようだ。

Text by 青葉やまと