フェイスブック、トランプ投稿に不干渉 失望して辞職する社員も

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 ツイッターに注意され、スナップチャットにはプロモーションを拒否されるなど、トランプ大統領とソーシャルメディア各社の戦いは続いている。5月28日には報復的な大統領令まで発令されアメリカ国民が唖然とするなか、フェイスブックだけがトランプ大統領の発言を野放しにしている状態だ。

◆「暴力を賛美」ツイッターが投稿に警告
 トランプ大統領は5月26日、郵便(不在者)投票に関するツイートでツイッターとトラブルに陥り、28日にはソーシャルメディア各社に対する大統領令を発令。その後、ミネソタ州ミネアポリスで警官による黒人男性殺害に対する抗議デモと暴動が発生し、ABCニュースによると、これを受けたトランプ氏はまたもやツイッターに「暴徒がジョージ・フロイド(殺害された黒人男性)の名誉を汚している。私がそうはさせない」としたうえで、必要であればミネソタ州に軍を派遣することを同州のティム・ウォルツ知事に伝えたと投稿。最後に「略奪が始まったら銃撃が始まる」と記した。
 
 ツイッターは「このツイートは暴力賛美に関するツイッターのルールを破っている」としてフラッグをつけて対処した。
 
 トランプ氏の同じ発言はフェイスブックとインスタグラムにも投稿されたが、ツイッターとは異なりフェイスブックとインスタグラムの投稿は対処されることなくそのまま残った。IT情報サイト『CNET』によると、CEOのマーク・ザッカーバーグ氏は「フェイスブックやインターネットは真実の審判員になるべきではない」と語り、トランプ大統領の投稿に事実確認をつけることに異を唱えた。昨年から共和党寄りの姿勢を見せていたザッカーバーグ氏は、トランプ氏と事を荒立てたくないようである。

Text by 川島 実佳