中国、在宅勤務の実験場に 休暇明けに混乱も 新型肺炎

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 新型コロナウイルス感染の拡大で、中国では春節明けも多くの企業が従業員に出社せず自宅で勤務するよう命じている。突然の事態に戸惑う人々もいるようだが、本格的なリモートワーク普及のための絶好のテスト機会になるのではという意見もある。

◆ネットもパンク? 在宅勤務の需要で大混乱
 中国では春節休暇後も、企業や地方政府がウイルス封じ込めのため、従業員に在宅勤務を勧めている。中国情報サイト『Sixth Tone』によれば、テンセントやファーウェイなどの多くの大企業は、少なくとも2週間は自宅で働くことを求めている。上海など一部の都市や省では、人々は強制自宅隔離を命じられており、その期間は在宅で業務をすることになっている。

 オフィスが閉鎖されているため、休暇明け初日となった2月3日には混乱が広がった。WeChatの姉妹アプリのWeChat Workの利用が急増し、ユーザーの集中でビデオ会議機能が一時的にパンクしてしまった。同様のアプリのDingTalkも、2億人以上のユーザーが一気にメッセージを送信しようとしたため、障害が発生したという(米CBS)。

 ネット民の間では、まるで11月11日の「独身の日」を彷彿させる混乱ぶりだとジョークになった。需要に対応するため、DingTalkはサーバーを1万2000台追加した。また、ユーザーからのリクエストに応じ、急遽ビデオ会議用のキレイ加工機能を追加した。米ビデオ会議プロバイダーのZoomは、利用急増で株価が1日で15%も上昇したという(Sixth Tone)。

Text by 山川 真智子