アメリカで基本給の高い職種ランキング 1位は年2,000万円超

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♦︎男女格差はアメリカでも
 ただし仔細に目を向けると、これらの業界で働く全員が高給取りというわけではなく、男女差の問題が存在する。日本では医大入試での女性差別が問題となった。アメリカの場合、医療業界の就業者数では女性が男性を上回るものの、給与額では男性の方が大幅に高いとブルームバーグは指摘する。テクノロジー産業にいたっては、男性の採用数が女性の2倍以上となっている。

 フォーブス誌も、IT業界では特に格差が根強いと指摘する。一方で、肩書き、経験、資格などの条件が似ている集団同士を比較すると、男女の給与は非常に近いという。このことから同誌は、制度上の問題だけでなく、志向する職種が男女で異なることも給与差が生まれる一因なのではないかと述べ、一概に差別だけが原因ではないという見方を示している。

♦︎キャリアの夢遊病者
 グラスドア社は2業種での給与水準が高いという結果を受け、高収入を狙う求職者にこれらの業界を勧めている。しかし、積極的な転職を是とするアメリカにおいても、現実にはキャリアパスの変更に二の足を踏むケースが多い。ランキング上位の職種の多くは長年にわたる訓練を必要とするため、すぐに転職を志すことは現実的でない可能性がある、と同社は認める。なお、25位となったデータ・サイエンティストなど、実務を通じたトレーニングが用意されている職種も一部あるようだ。

                                                                                                                 

 ブルームバーグが紹介する数字からは、転職に踏み切ることのできないアメリカ人労働者の姿が浮き彫りになる。LinkedInが8月に発表した調査結果によると、キャリアパスに自信がないと答えた求職者は27%に上り、また、およそ4分の1はランニング・マシンの上で足踏みしているような感覚だと述べている。さらに、在職中のアメリカ人の半数以上が転職を検討しているが、ほとんどの労働者は現在の職種に10年以上留まっている。明確な意思を持たずに現在のキャリアの道を進んでしまうことから、同調査ではこうした労働者たちを「キャリアの夢遊病者」と揶揄する。

 とはいえ給与額だけが重要な要素でないこともまた事実だ。CBSは、信頼できる上司の存在、あるいは職場のカルチャーなどを重要な要素として挙げる。ひとたび転職が済めばこうした環境要因のほうが労働の満足度に大きく影響すると述べ、給料だけにとらわれることのないよう注意を促している。

Text by 青葉やまと