時にはスパイのように助手席に美女を乗せて  ボンドカーはいかが?

© BMW Group

 現実的なところでは、「ダイ・アナザー・デイ(2002年公開)」に登場したV12ヴァンキッシュだろう。NA5.9リットルV型12気筒エンジンは、460ps、535Nmを発揮。パドル付き6速ATを組み合わせる。新車価格は約2750万円。現在の中古車価格は、すでに最終型の生産が終了してから13年を経過しているが、個体が少ないこともあるのだろう1500万円前後と高値をキープしている。

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 初代作品からボンドカーはほぼイギリス車が占めていたが、トゥモロー・ネバー・ダイとワールド・イズ・ノット・イナッフの2作はBMWが採用されている。前作はセダンの750iL(E38型)、後作がオープン2シーターのZ8。実は、この2作にドイツ車が使われたことで、ファンからは「ボンドカーはイギリス車であるべき」と批判が出たという。

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 中古車価格はZ8自体の個体数が少ないこともあり、すべてが価格応談となっている。5リットルV型8気筒エンジンを搭載する2シーターオープンという希少性もあり、新車価格が約1500万円だが600万円台で取引されているようだ。

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 一方、E38型750iLはロングホイールベースボディに5リットルV型12気筒エンジンを搭載する最高級サルーンだが、中古車市場では100万円以下となっている。その次モデルとなるE65でも750Liは100万円台からと意外にもリーズナブルなボンドカーとなっている。

Text by 小野 真人