相田みつをの名言から学ぶ人生の生き方 辛いときに響く言葉を紹介
詩人・書家として活動し、数多くの名言を生み出した相田みつを。彼が出版した『にんげんだもの』はミリオンセラーになるほど、多くの人の心を掴んだ。相田みつをの詩を読めば、辛い人生の乗り越え方が学べるだろう。今回は、相田みつをの生涯と名言、それらを堪能できる書籍を紹介する。
目次
相田みつをの生涯
相田みつを(本名:相田光男)は、1924年5月20日に栃木県足利市で生まれた詩人・書家である。
相田みつをが書く言葉はやさしいものが多く、難しい言葉は使っていないのが特徴だ。詩の内容は哲学的で「書の詩人」「いのちの詩人」とも称された。
ある日、道で転んだことが原因で脳内出血となり、1991年12月17日に67年の生涯を閉じた。
氏名 | 相田みつを(相田光男) |
雅号 | 貪不安(ドンフアン) |
生年月日 | 1924年5月20日 |
没年月日 | 1991年12月17日 |
享年 | 67歳 |
出生地 | 栃木県足利市 |
職業 | 詩人、書家 |
主な書籍 | 『にんげんだもの』 『いちずに一本道いちずに一ツ事』 『しあわせはいつも』 『おかげさん』 『生きていてよかった』 『アノネ 相田みつを・心の詩1』 『いのち いちばん大切なもの』 『雨の日には……』 |
相田みつをの生い立ち
相田みつをは、6人兄弟の三男として誕生した。家は貧しかったが、兄2人の働きのおかげで、みつをと弟妹たちは旧制中学に通うことができた。しかし、慕っていた兄2人を戦争で亡くすという、辛い出来事を経験。みつをは兄の分まで勉強しようと決め、成績上位で陸軍士官学校を目指した。
勉学に励んでいた中学時代のある日、みつをは軍事教練の教官から勝手にいたずら犯と決めつけられてしまう。軍事教練が不合格になったことで、希望の学校に願書が通らず進学を断念した。
夢を諦めた彼の転機となったのは、師との出会いである。18歳のときに短歌会で曹洞宗高福寺の武井哲応と出会い、禅を学んだ。19歳になると岩沢渓石に師事して書家を目指し、才能を開花させていった。
相田みつをの書家としての活躍
相田みつをが30歳のとき、書道界で有名な『毎日書道展』で入選を果たす。同年に故郷で自身初の個展を開いた。それ以降毎年個展を開催し、『毎日書道展』には7年連続で入選していることから、書家としての実力の高さが伺える。
書家として高評価を受けていた一方で、難しく閉鎖的な書道界にのあり方に疑問を抱いていた。親しみやすさを求め、やさしい言葉でつづるシンプルな詩と、独特の書体が融合したスタイルを確立した。作品作りには決して妥協せず、墨の色の変化や印刷位置のわずかなズレを理由に、大量の色紙を廃棄したこともあったほどだ。
相田みつをの詩人としての活躍
60歳のとき、詩集『にんげんだもの』を出版。100万部を超える売上となり、相田みつをの名が多くの人に広まった。また、みつをの死後にも『いちずに一本道いちずに一ツ事』『雨の日には……』など出版が続いた。
没後5周年には銀座に『相田みつを美術館』が開館。現在は東京国際フォーラムに場所を移し、多くの作品が来場者を楽しませている。
人生の指針となる相田みつをの名言
相田みつをの名言には、人生で壁にぶつかったときに支えてくれる言葉がたくさん存在する。彼の名言が記載された『日めくりカレンダー』は非常に人気が高く、2018年には売上が1,500万部を超えたほどだ。
ここでは、人生の指針となるような、心に響く相田みつをの名言を紹介する。
辛い時間を乗り越えたいときの名言
「ぐちをこぼしたっていいがな 弱音を吐いたっていいがな 人間だものたまには涙をみせたっていいがな 生きているんだもの」
「あのときの あの苦しみも あのときの あの悲しみもみんな肥料になったんだなあ じぶんが自分になるための」
引用した名言からは「苦しいときは我慢しなくていい」「辛い経験が自分を大きく成長させる糧となる」というメッセージが読み取れる。みつをの名言は、毎日辛い思いを抱えて過ごしている人の心を打つだろう。
相田みつを自身も、戦争で兄2人を亡くしたり、進学できなかったり、仕事で稼げず苦労したりしている。苦しい経験をしている彼が放つ言葉には、説得力を感じる。
後悔しない人生を歩むための名言
「やれなかった やらなかった どっちかな」
「人生において 最も大切な時それはいつでも いまです」
「毎日毎日の足跡が おのずから人生の答えを出すきれいな足跡には きれいな水がたまる」
「旅の過程に大切なものがある やり直しのきかない人生 待った無しの命」
「そのうち そのうち べんかいしながら日がくれる」
毎日をなんとなく過ごしたり、何かに挑戦したくても勇気が出なかったりする人は多いだろう。しかし「今この瞬間」の選択が、未来の自分を作っているのである。
叶えたい夢や目標があるなら、すぐにでも行動するのがよいだろう。後悔しない人生を歩むためには、今やれることを一つひとつ達成していくことが大切である。
自己を省みる名言
「他人のものさし 自分のものさし それぞれ寸法がちがうんだな」
「人の批判はするけれど『おまえどうだ』といわれれば」
人はつい、自分の価値観で物事を判断してしまう。視野が狭いと他人を批判したり、一方的に考えを押し付けたりしてしまうこともあるだろう。
引用した名言は、相手の立場になって考える、客観的に物事を判断することが大切であると教えてくれる。自己を省みるときに思い出したい名言だ。
挑戦すること・学ぶことの大切さを教えてくれる名言
「あたらしい門出をする者には新しい道がひらける」
「一生勉強 一生青春」
上記の名言からは「勇気をもって新しく挑戦すれば、今とは違う発見や可能性が見つかる」というメッセージが読み取れる。
新しい可能性と出合うには、常に勉強することも大切である。その挑戦と努力を続ければ、人を魅了するような豊かな人生を送れるだろう。
気持ちが楽になる名言
「なやみは つきねんだなあ 生きているんだもの」
「毎日少しずつ それがなかなかできねんだなあ」
人間のダメな部分を肯定してくれる名言を読むと、気持ちが楽になるものだ。
悩みを解決すること、努力することは大切だが、頑張りすぎると疲れるときもある。ときには力を抜き「そういうときもある」と自分を肯定するのも大切かもしれない。
相田みつをの名言を堪能できる書籍
本記事で紹介した名言は、ほんの一部にすぎない。さらに、多くの名言に触れたい人に向け、おすすめの書籍を紹介する。
相田みつを ザ・ベスト にんげんだもの 逢(角川文庫)
出典:Amazon
『にんげんだもの 逢』は不安なときや悲しいときに、そっと寄り添ってくれる言葉を厳選している。「相田みつをザ・ベスト」シリーズは、書籍未収録作品も加えたオリジナル編集であるため、多くの名言を堪能できるのが特徴だ。
相田みつをの想いが真正面からつづられた言葉に、きっと胸を打たれるだろう。手元に置き、定期的に読み返したくなる本である。
ただいるだけで(PHP研究所)
出典:Amazon
『ただいるだけで』では「道」「雨の日には雨の中を 風の日には風の中を」など52作品を収録している。相田みつを没後25年・『相田みつを美術館』開館20周年を機に発刊された書籍だ。
人生の支えとなる言葉や、人が心で感じていることを端的に表現した言葉がつづられている。人はひとりだが、独りではないことを感じさせる書と詩が収録されているため、心がほっと温かくなるだろう。
生きていてよかった(角川文庫)
出典:Amazon
『生きていてよかった』は、生きるために大切なことを、ほかの誰でもない自分自身の言葉で語った珠玉の作品集である。相田みつをはこの書籍について「一番書きたかったことが、一番自由に書けた」と語っている。
人生で壁にぶつかったとき、悲しいときに気持ちを鼓舞してくれるような言葉がつづられている。日々を過ごすなかで辛いことがあっても、本書を読めば気持ちが前向きになるだろう。
相田みつをの名言を参考にして、人生を前向きに生きよう
自身の人生経験をもとに、多くの名言を残した相田みつを。辛い時間をたくさん乗り越えてきたからこそ、彼の名言は多くの人の心に響いている。
名言を参考にすれば、物事の見方が変わって人生を前向きに生きるヒントが得られるだろう。人生の道に迷ったら、ときに心に寄り添い、ときに励ましてくれる相田みつをの名言を思い出してほしい。
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