ホームグロウンテロ増加の恐れも アフガン治安悪化がもたらすグローバルリスク

パキスタン南東部スピンボルダクのパキスタン国境検問所をタリバンが掌握したと発表した後、パキスタン側の国境の町チャマンでタリバンの旗を掲げる人々(7月14日)|Tariq Achkzai / AP Photo

 バイデン政権は着々とアフガニスタンからの米軍撤退を進めている。8月にはそれが完了する見込みだ。バイデン大統領は7月の声明でも、アフガニスタンの未来はアフガン人の手に委ねられている、米国は中国に対峙しなければならないなどと発言し、脱アフガンを加速化させている。

 米軍など外国部隊の撤退後のアフガン情勢を予測することは難しくない。国内の治安悪化は避けられず、すでに反政府勢力タリバンは攻勢を強め、支配地域を急速に拡大させている。アフガニスタン軍がタリバンを軍事的に抑えることは不可能な状態だ。タリバンは声明のなかで、外交団や国際NGO、外国人など非軍人は攻撃しないと発言し、諸外国との関係構築を重視する姿勢も見せているが、我々は、タリバンが国内を事実上コントロール化に置いた際に発生するリスクについても考えておく必要があるだろう。

◆影響が近隣国に飛び火する懸念も聞かれる
 まず、国内の混乱が近隣国に拡大するリスクが考えられる。タリバンとアフガニスタン軍との戦闘は今後も続くだろうが、タリバンといっても穏健派もいれば強硬派もいて、タリバン内部での権力闘争もポイントとなる。タリバン上位層の決定に納得がいかないメンバーたちは、イスラム国のホラサン州などイスラム国を支持する武装勢力に流れ込み、戦闘を続けている。また、アルカイダと密接な関係にあるタリバンのメンバーも多く、今後はアルカイダやイスラム国系組織の活動が活発化し、同国が再びテロの温床となる恐れがある。

Text by 和田大樹