未成年にLGBTに触れさせてはならない……ハンガリーで法案可決 プライドパレードも禁止か
ハンガリーは15日、ポルノグラフィ、セクシュアリティを描写するコンテンツ、性同一性の逸脱や性転換・同性愛を促進するコンテンツに、18歳未満がアクセスできないように制限する改正法案を可決した。これは、「小児性愛と闘い、未成年者を保護する措置の一部」とされている(フランス・アンテール、6/15)。だが、差別を助長するこの法案に抵抗する野党は投票をボイコット。ブダペスト市内でも5000人を超える規模のデモが起きた。
◆ハンガリーのLGBT+
ハンガリー国会の議席の3分の2は、連立与党のフィデス・ハンガリー市民同盟・キリスト教民主人民党が占めている。今回の法案に票を投じたのは、与党と野党のヨッビク党で、残りの政党は投票をボイコットした。投票前日のLGBT支援を表明するデモと同様、反対派が懸念するのは性的少数派への差別だ。
もともとハンガリーは、1961年に同性愛を非犯罪化し、1996年には同性間のフリーユニオンを認めるなど、周辺国と比べ性的少数派に理解の深い国の一つだった。ところが、2010年現首相であるオルバーン・ヴィクトルが返り咲いて以来、事情は大きく変わる。「伝統的カトリックの価値観を守るため新しい文化時代を築く」(リベラシオン紙、6/15)として、LGBT+に多くの制限を加え始めたからだ。具体的には、トランスジェンダーの市民ステータス書き換えを禁じ、同性カップルへの養子縁組を実質上禁止。さらに、憲法に家族の定義を加え、「母親は女性、父親は男性」と性別を明記した。(フランス・アンテール)
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