クルーズ船の悪夢再び 営業再開も感染者 運休で破産も
約3か月の休業期間を経て、ようやく徐々に営業再開に乗りだしたクルーズ船だが、またもや乗客や乗組員から新型コロナウイルス感染者が発生し立ち往生している。
いまだ記憶に新しいダイヤモンド・プリンセス号では、1月末から感染が瞬く間に広がり、隔離の甲斐なく、3713人中712人が感染、うち14人が死亡した。これを皮切りに、図らずも大型クルーズ船が新型コロナ感染の温床となる例が世界の海で発生。CLIA(クルーズライン国際協会)に加盟している33隻の船の乗客と乗組員に合計2789例のコロナウイルス感染例が確認される事態となった(フランス・アンフォ、5/31)。3月13日にはクルーズ船に出航停止の命令が下されたが、行き場をなくした船約300隻と船員たちは長く海上にとどまることを余儀なくされ、国際輸送労働者連盟(ITF)によれば、およそ15万人の船員が帰国できず、8ヶ月以上家族と再会せずに過ごした。この状況を悲観した船員のなかからは自殺者さえ複数出た(過去関連記事)。
◆営業再開したばかりのクルーズ船で感染者確認
そんななか、営業再開に踏み切ったばかりのクルーズ船で再び感染者が確認された。一隻は、フランス領ポリネシアを航行中だったポナン社のポール・ゴーギャン号だ。20minutes紙(8/3)によれば、7月30日に出航したばかりの同船乗客のひとりに8月1日夜Covid-19感染が確認された。フランス領ポリネシアはこれまでパンデミックの影響をあまり受けずに済んでおり、感染者は62人、死者もなしという土地だ。春以降入国制限を設けていたが、観光業再開のため7月15日から一部地域の航空便を受け入れ始めたところだった。ただし入国者にはCovid-19陰性の証明書提示と、入国後4日目の再テストを課すという条件付きだ。今回の感染は、この4日目のテストで判明したものである。